ハネナシアメンボ

ハネナシアメンボ Gerris nepalensis Distant,1910f:id:hydrotusk:20170705095702j:image【無翅型雌雄の交尾  2017.6.29】

本種はヒシ類やコウホネ類、抽水植物の茂った池に見られ、しばしば同所的にジュンサイハムシも見られる。(ジュンサイハムシの蛹を吸汁していることも。)

和名に"ハネナシ"とついているが、有翅型も知られており、個体数は少なく季節にもよるが1〜2割ほどの割合で見られる。f:id:hydrotusk:20170705100402j:image【有翅型 雌  2017.6.29】

有翅型はヒメアメンボと似ているが、ヒメアメンボのように前翅が薄紫がからず、全体的に濃い灰色である。また、本種はアメンボ科の中でも特に筋肉質であるため、ヒメアメンボよりもやや太く見える。

ハネナシアメンボの幼虫はメタリックでメカニカルで非常に格好良い。f:id:hydrotusk:20170705182223j:image【幼虫  2017.6.29】

ハネナシアメンボが生息するような景観の素晴らしい良い池が減ってしまったことにより、茨城県では絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。

 

オキナワマルチビガムシ

オキナワマルチビガムシ

Pelthydrus okinawanus Nakane,1982f:id:hydrotusk:20170620091258j:image沖縄島固有の流水性ガムシ。林内を流れる緩やかな河川の植物が茂った水際で見られた。

体長は3mm弱と微小だが、他のガムシ類とは異質な体型であるため、おっこれは。と手が止まる。

f:id:hydrotusk:20170620100244j:image写真は沖縄本島北部にて採集した個体。北部での記録については2009年の甲虫ニュースで紹介されており、原記載以来ほとんど記録のなかった本種を多数確認したとの報告がなされている。

日本のマルチビガムシ属は本州・四国に生息するマルチビガムシ Pelthydrus japonicasと本種のみであり、いずれも記録が少なく稀である。

マルチビガムシが見たい…

 

参考: オキナワマルチビガムシの記録. 藤原淳一・山下大輔 (2009) 甲虫ニュース166.11-12

リュウキュウマルガムシ

リュウキュウマルガムシ

Hydrocassis jengi M.Sato,1998f:id:hydrotusk:20170613110021j:image奄美大島固有の流水性ガムシ。日本で確認されているマルガムシ属は本種とマルガムシ H.lacustrisの2種のみであり、本種のほうがやや丸っこくて黒光りが強い。

両種とも河川や水路の枯れ草がたまっているところや植物の葉や根が洗われているところに多い。

f:id:hydrotusk:20170613154837j:image幼虫も成虫と同じ環境で見られ、体表がぼこぼこしていることが特徴。

成虫を飼育してみると、餌を入れてから気付くまでが他のガムシ類よりも早く、肉食性が強いように思う。

そしてなんといっても頭部・前胸背の重厚感が魅力的なガムシである。

キベリヒラタガムシ

キベリヒラタガムシ Enochrus japonicus (Sharp,1873)f:id:hydrotusk:20170606093317j:image落ち葉の溜まった林道脇の小さな水たまりや山間の薄暗い水たまりなどに生息するヒラタガムシ属の一種。

その名の通り体の側縁は黄色く縁取られている。オオヒラタガムシとよく似るが本種のほうがやや小さい。と言われているがまだ見たことがない。f:id:hydrotusk:20170606102556j:image↑愛知県におけるキベリヒラタガムシの生息環境

こんなところにも水生昆虫はいる。どんな水たまりもとりあえず覗き込めということを本種は教えてくれる。

クロシオガムシ

クロシオガムシ

Horelophopsis hanseni M.Sato & Yoshitomi,2004

f:id:hydrotusk:20170530225135j:image

ガムシ科クロシオガムシ亜科に属し、汽水域にのみ生息するという特殊なガムシ。

河口というよりほぼ海岸で、浅瀬の石ころを転がしていると浮かんでくる。小さい波が打ち寄せ、微小な木片や砂粒が舞い上がる中、稀に2mm弱の昆虫らしきシルエットが見えて一気に胸が高鳴る。昆虫っぽい木片が浮いてくることも。 f:id:hydrotusk:20170530225356j:imageこの小ささで汽水域という特殊な生息環境、クロシオガムシは一部のガムシ愛好家にとっては特別な存在であり、憧れのガムシである。

ゴマダラチビゲンゴロウ

ゴマダラチビゲンゴロウ Oreodytes natrix (Sharp,1884)

f:id:hydrotusk:20170523122050j:image

河川に生息する流水性のゲンゴロウ。体長は約3mm、上翅の模様が大きな特徴。

緩やかな流れのある水際で、砂利をかき混ぜると一瞬だけ現れ、すぐにまた砂利の隙間に隠れてしまう。

黒地に黄色や白の斑点模様は、流水性の水生昆虫でしばしば見られますよね。以前紹介したアマミコチビミズムシも。

スジヒラタガムシ

スジヒラタガムシ Helochares nipponicus Hebauer,1995

f:id:hydrotusk:20170517171456j:image

抽水植物や浮遊植物の多い湿地で見られる。レッドデータでは準絶滅危惧に指定されているが、そこまで個体数が少ないわけではない印象。

体長は約4mm。ヒラタガムシ属ではなくスジヒラタガムシ属で、この仲間の大きな特徴として幼虫が孵化するまで卵嚢がメスの腹側にくっついている。

類似種という類似種はいないが、見た目に特徴もあまりないのでなんというか…。