タイワンケシゲンゴロウ

タイワンケシゲンゴロウHyphydrus lyratus Swartz,1808f:id:hydrotusk:20171015111713j:image石垣島 2017.9.10】

南西諸島に生息するケシゲンゴロウ属の一種。石垣島の開放的な池で数匹見られました。

ケシゲンゴロウの仲間は丸っこくてかわいらしく、上翅の模様も綺麗です。本種の上翅には個体変異はありますが、黒線が4本並びます。同所的に見られることもあるタマケシゲンゴロウも、個体変異はありますがこの黒線が8本なので縦縞模様がより目立ちます。

種小名の「lyratus」には「竪琴(たてごと)」という意味があり、上翅の模様を竪琴の弦に見立てたのでしょうか、お洒落な名前のゲンゴロウです。

ホソゴマフガムシ

ホソゴマフガムシ Berosus pulchellus Macleay,1825f:id:hydrotusk:20171014134901j:image石垣島  2017.9.10】

本州から南西諸島に生息するゴマフガムシ属の一種。とはいえ本州では非常に稀で、八重山諸島の水田や池などでは普通に見られる。

その名の通り、他のゴマフガムシ類と比べるとほっそりしていて体長も2.9〜3.8mmとやや小さい。本種の前胸背には、独特な形をした黒い斑紋があることから他種との識別が可能。

また、種小名の「pulchellus」には「美しい、愛らしい」という意味があるようで、非常に良い名前をつけてもらっているガムシでもある。

 

ルイスヒラタガムシ

ルイスヒラタガムシ Helochares pallens (Macleay,1825)f:id:hydrotusk:20171013131400j:image【卵嚢を抱えるメス 2017.9.10】

本州から南西諸島に生息するスジヒラタガムシ属の一種。本州では見たことありませんが、南西諸島では休耕田や池など植物の多い止水域でよく見られます。

体長は2.4〜3.5mmほどで、全体は黄褐色。上翅に3つの黒斑が並んでいるのが特徴。この斑紋と縫合線が串だんごのように見えるのですが、なかなか共感を得られません。ただし上翅の模様には個体差があり、この"だんご模様"がはっきりと出ている個体もいます。

スジヒラタガムシ属のメスは幼虫が孵化するまでの間、腹部に卵嚢を抱えるという習性が知られています。幼虫の孵化後も数日間は殻の卵嚢を抱えていますが、いつの間にか取れてなくなっています。

ハネナシアメンボ

ハネナシアメンボ Gerris nepalensis Distant,1910f:id:hydrotusk:20170705095702j:image【無翅型雌雄の交尾  2017.6.29】

本種はヒシ類やコウホネ類、抽水植物の茂った池に見られ、しばしば同所的にジュンサイハムシも見られる。(ジュンサイハムシの蛹を吸汁していることも。)

和名に"ハネナシ"とついているが、有翅型も知られており、個体数は少なく季節にもよるが1〜2割ほどの割合で見られる。f:id:hydrotusk:20170705100402j:image【有翅型 雌  2017.6.29】

有翅型はヒメアメンボと似ているが、ヒメアメンボのように前翅が薄紫がからず、全体的に濃い灰色である。また、本種はアメンボ科の中でも特に筋肉質であるため、ヒメアメンボよりもやや太く見える。

ハネナシアメンボの幼虫はメタリックでメカニカルで非常に格好良い。f:id:hydrotusk:20170705182223j:image【幼虫  2017.6.29】

ハネナシアメンボが生息するような景観の素晴らしい良い池が減ってしまったことにより、茨城県では絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。

 

オキナワマルチビガムシ

オキナワマルチビガムシ

Pelthydrus okinawanus Nakane,1982f:id:hydrotusk:20170620091258j:image沖縄島固有の流水性ガムシ。林内を流れる緩やかな河川の植物が茂った水際で見られた。

体長は3mm弱と微小だが、他のガムシ類とは異質な体型であるため、おっこれは。と手が止まる。

f:id:hydrotusk:20170620100244j:image写真は沖縄本島北部にて採集した個体。北部での記録については2009年の甲虫ニュースで紹介されており、原記載以来ほとんど記録のなかった本種を多数確認したとの報告がなされている。

日本のマルチビガムシ属は本州・四国に生息するマルチビガムシ Pelthydrus japonicasと本種のみであり、いずれも記録が少なく稀である。

マルチビガムシが見たい…

 

参考: オキナワマルチビガムシの記録. 藤原淳一・山下大輔 (2009) 甲虫ニュース166.11-12

リュウキュウマルガムシ

リュウキュウマルガムシ

Hydrocassis jengi M.Sato,1998f:id:hydrotusk:20170613110021j:image奄美大島固有の流水性ガムシ。日本で確認されているマルガムシ属は本種とマルガムシ H.lacustrisの2種のみであり、本種のほうがやや丸っこくて黒光りが強い。

両種とも河川や水路の枯れ草がたまっているところや植物の葉や根が洗われているところに多い。

f:id:hydrotusk:20170613154837j:image幼虫も成虫と同じ環境で見られ、体表がぼこぼこしていることが特徴。

成虫を飼育してみると、餌を入れてから気付くまでが他のガムシ類よりも早く、肉食性が強いように思う。

そしてなんといっても頭部・前胸背の重厚感が魅力的なガムシである。

キベリヒラタガムシ

キベリヒラタガムシ Enochrus japonicus (Sharp,1873)f:id:hydrotusk:20170606093317j:image落ち葉の溜まった林道脇の小さな水たまりや山間の薄暗い水たまりなどに生息するヒラタガムシ属の一種。

その名の通り体の側縁は黄色く縁取られている。オオヒラタガムシとよく似るが本種のほうがやや小さい。と言われているがまだ見たことがない。f:id:hydrotusk:20170606102556j:image↑愛知県におけるキベリヒラタガムシの生息環境

こんなところにも水生昆虫はいる。どんな水たまりもとりあえず覗き込めということを本種は教えてくれる。